日本コカリナ協会の黒坂黒太郎さん(埼玉県飯能市在住)の「希望のコカリナコンサート」(実行委員会主催)が28日、石巻市門脇町2丁目の西光寺本堂で開かれる。
黒坂さんは東日本震災で被災した門脇小のプールそばに立つ西光寺敷地内のアカマツで楽器のコカリナを制作。同小や門脇中の児童・生徒にプレゼントし、演奏曲を収録したCDを発売するなど被災地支援活動を続けている。
震災当時に門脇小校長だった実行委の鈴木洋子委員長は「黒坂さんのおかげで子どもたちも健やかなに育っている。ぜひ成功させたい」と来場を呼び掛けている。
黒坂さんの石巻でのコンサートは2011年10月に西光寺で開催して以来3年ぶり。妻でハープ奏者の矢口周美さんも出演し、長野や東京などからコカリナ愛好者、門脇小の卒業生と在校生も駆け付ける予定。
陸前高田市の「奇跡の一本松」で製作したコカリナで、スコットランド民謡「海原」をはじめ、黒坂さんが作曲した「木立を抜ける風の音」「夜の森、愛の歌」などを演奏する。
矢口さんが手話を交えて歌やハープを披露する計画があるほか、仙台、塩釜両市を含むメンバーの石巻コカリナサークルが賛助出演し「ふるさと」「浜辺の歌」を合奏する予定。
自作「日和山」も披露
ラストは黒坂さんがCDにも収録した「日和山」「レクイエム~木への感謝」、賛美歌の「アメージンググレイス」を奏でる。
黒坂さんは震災前に毎年、石巻市内で演奏会を開くなどしていた。演奏会を通じて親交がある同市山下町2丁目の菊池英行さんから「石巻の惨状を見てほしい」との話を受け、11年4月11日に市内を訪れた。この時、1本のアカマツが焼け残っているのを発見。黒坂さんは「アカマツがコカリナに変わることで、石巻の街がよみがえるという思いを伝えたい」と支援活動を開始した。
被災地支援コカリナ&音楽プロジェクト(山田みどり代表)も立ち上げ、石巻の子どもたちのために300万円を市教委に寄付する一方、全国で100回のコンサートを実現させた。
当日は午後1時開場、午後1時半開演。
入場料は大人1000円、小中高校生500円。
連絡先は菊池さん090(8784)4562=午前8時~午後6時=。