女川さいがいFM
臨時災害放送局 「おながわさいがいエフエム」について
東日本大震災の被災地の一つである宮城県の女川町では、2011年4/21日(木)より臨時災害放送局「おながわさいがいエフエム」を開局、24時間体制での放送を実施しています。
女川町は震災とそれに伴う津波により、役場の庁舎も冠水するなどの壊滅的被害を受けました。ライフラインや防災無線も壊滅し、町内には10数カ所に設けられた避難所や、幸いにも損壊を免れた数百世帯の在宅被災者へ町からのお知らせを届ける手段がありませんでした。そこで、東北及び茨城地区の被災地各所で開設されている臨時災害放送局の仕組みを利用し、町内をカバーするFMラジオ局を開局することとなりました。
それから半年以上、台風発生時などは道路が冠水したり、床上浸水も含めた被害が発生し、被害や避難指示などについての情報を放送するなど名実ともに臨時災害放送局としての機能も果たしました。
2011年11月中旬までにほぼ全ての町民の仮設住宅への引っ越しが完了し、すべての避難所が解消されましたが、町内はいまだ復興への道のりは遠く、また仮設住宅も一部は石巻市内に建設されるなど町内・周辺地域に残された土地に「とりあえず」仮の住まいを設けたに過ぎません。
そこで私たちは分断された町内のコミュニティを情報と会話で繋いでいくラジオ局を目指して、町からのお知らせを放送するだけでなく、現在は町内の店舗・企業などの復興に関する情報、生活情報をはじめ、町民へのインタビューなどを放送したり、小学校の運動会から秋刀魚祭りまで町内のイベントの中継を行うなど様々な取り組みを行っています。
この放送局の企画・運営は、女川町在住の被災者による有志とそれを支援するインターネット上で集まった有志からなる任意団体「おながわさいがいエフエム」が手がけています。
「女川の町に正しい情報と元気を届ける放送を がんばっぺ女川」を合言葉に、毎日放送を行っています。
そんな「女川さいがいFM」がNHKのドラマになりました。
特集ドラマ「ラジオ」
東日本大震災の被災地・宮城県女川町。ここに今も放送を続ける臨時災害放送局がある。震災の一か月後に地元の人たちの手で作られた「女川さいがいFM」である。このドラマは、地域に必要な情報を届けようと集まった、高校生など若いスタッフと地元の皆さんをモデルにしている。
原作となったのは、「女川さいがいFM」にアナウンサーとして参加している女子高生のブログである。そこには、震災からの二年間、被災の現実と向き合いながら、前を向いて歩んでいこうとする若者の胸の内がつづられていた。 被災地で生きる女子高生と彼女を見守る大人たちが織りなす青春群像。