2011年3月11日に起きた大地震を皮切りに、日本はそれまでの極東の小さくてエキゾチックで、伝統とテクノロジーの共生する国などとは別の視点で、世界の注目を集めることになった。最初の地震のニュースを聞いて、多くの日本人が『いつもの地震。対策は万全。大丈夫。』と思ったのが実情ではないだろうか。そのあとに続く津波、余震、原発事故、放射能汚染、そしてそれらの災害から引き起こる電力不足、水や食べ物への影響、計り知ることのできない不安を誰が想像していただろうか。
この大震災に関して、世界各国でそれぞれの注目点や情報量、やりかたを異にしながらも、様々なメディアが様々な情報を流し、インターネットというツールによってもまた多種多様な情報を各々が目に耳にしている。被害規模や原発問題などもさることながら、欧米の注目をより集めたのはやはり、世界第三位のGNPを誇る先進国である日本がこのような大災害に見舞われたという点であり、彼らにとって発展途上国への災害よりもより現実味をおびていたからであるともいえる。
そのような状況のなか、多くの海外在住日本人たちが 遠く離れたそれぞれの土地で、 抗うことのできない自然の大きな力の前で必死に生き延びようとする母国を想い、少しでも自分たちには何かできないのか、と自問自答する。ここパリでも、コンサート、舞台公演、展示即売会、バザー、など多くのチャリティーイベントが開催されている。