祈りの大輪あでやか 水都祭「天神祭奉納花火」
大阪の夏を彩る天神祭が25日、本宮を迎えた。大阪市内では約3千人の列が連なる陸渡御、約100隻の船団が大川を行き交う船渡御が執り行われた。日本三大祭の一つに数えられる天神祭の名にふさわしいにぎわいが、大阪を包んだ。夜には第65回水都祭「天神祭奉納花火」(同実行委員会、大阪日日新聞主催)の約3千発の花火が打ち上げられた。東日本大震災の被災地復興への願いも込め、今年の天神祭がクライマックスを迎えた。この日午後、大阪天満宮(大阪市北区)の本殿で本宮祭、菅原道真公の御神霊を御鳳輦(ごほうれん)に移す「神霊移御祭(しんれいいぎょさい)」が斎行された。その後、催(もよおし)太鼓を先頭に陸渡御列が氏地を巡行。夕方からは大川を舞台に船渡御が執り行われた。被災地の復興を願う「がんばろう!日本」のロゴの入った横断幕を掲げた各船からは、「大阪締め」を交わすにぎやかな声が響いた。天神祭のフィナーレを飾ったのは奉納花火。船渡御の船団が行き交う大川一帯で行われ、打ち上げ花火や文字仕掛け花火が夜空を染め上げた。今年は奉納花火に寄せられた協賛金の一部が被災地支援に充てられ、見物客らは復興を祈りながら花火を見上げた。