どん底の状態は続かない 寂聴さん、胸にしみた「無常」
作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(88)が、東日本大震災の被災地に向けたメッセージを寄せた。
去年死んでいたら、この未曽有の悲惨な災害は見ずにすんだのにと思ってしまいます。たまたま私は昨年十一月から背骨の圧迫骨折で入院したり、自宅で治療をつづけていて、自分の足で歩けなくなっていたので、これまでのように、すぐ現地に飛んでいって被災者を慰問することも励ますこともできませんでした。こんな役立たずになった自分に今、何ができるのかと、考えつづけ、あらゆる報道に目をさらして、やきもきしていました。