飯舘で唯一の外国語指導助手・サンプターさん、再び教壇に
東京電力福島第1原発事故の計画的避難区域に指定され、全村避難が始まった飯舘村で唯一の英国人ALT(外国語指導助手)、ハナ・サンプターさん(23)が、勤め先の村立飯舘中が仮住まいしている川俣町で教壇に立ち続けている。英国政府の退避勧告により一度は帰国したが、4月末に再来日し、福島市で避難生活を送りながら村民と一緒に村へ戻る日を待ち望んでいる。
大学生の頃から日本の文化や歴史に関心を抱き、卒業後の10年8月に来日。浴衣で盆踊りを楽しんだり、太鼓のサークル活動に参加して村に溶け込んだ。お気に入りの場所は「村民の森あいの沢」。散歩しながら季節の移ろいを写真に収めるのが日課だった。
震災当日は卒業式を終え、職員室にいた。英国では地震の体験はほとんどなかった。そして、原発事故が深刻化。東京以北からの避難を促す英国政府の勧告に従い、3月20日に一度帰国したが「第二の古里」のことが頭から離れなかった。「村の人たちや生徒たちに早く会いたい」
英国でも連日流れるフクシマのニュース。「放射線量は少しずつ低くなっている」との報道に触れ、親族の反対を押し切り再来日。飯舘中が授業を再開して間もない5月2日、生徒たちに再会した。